DX日記

誰もやりたがらなかった朝の体操動画を自動化した話

私の職場では、毎朝8時にグループ規定の体操動画をサイネージに流しています。
本来は“みんなで朝のリズムを整える”という前向きな取り組み…のはずなのですが、
その動画を流す人が、実は毎日曖昧なままになっていたんです。

結局いつも、気がついた人が動画を起動して音量調整して…
まるで「気が利く人が毎朝損をする」ような雰囲気。

そしてある日、ふと気づきました。

「この時間、もしかして“仕組み”で回せるのでは?」

 

DXは“ちょっとした不満”から生まれる

この“朝の動画再生問題”は、いわゆる業務命令ではありません。
だけど、誰かがやらないと始まらない。
しかも、やっても特に評価されることもない。

そういう“誰もがやりたがらない仕事”って、職場にけっこうあると思います。

そして、私はそれを“自動化”することに決めました。

 

タスクスケジューラ で「自動再生」

使ったのは以下のソフト

  • 🗂 Windows標準のタスクスケジューラ

「毎朝決まった時刻に動画と音声が自動で再生される」

仕組みをつくりました。

スケジュール設定の流れ(ざっくり)

  1. 7時58分37秒に音声ファイル(5秒)を再生
     →「もうすぐ8時です。さぁ、体操を始めましょう」
      (AIの音声で少し明るい気分に)

  2. 7時58分45秒に体操動画(3分15秒)を再生
     → 自動で再生、誰の操作も不要!

  3. 8時02分00秒に体操終了
    → 朝礼開始

 

職場の空気が、ちょっと変わった

この仕組みを取り入れてから、
「体操、勝手に流れてる!?」「AIの声かわいい」と驚く声があがるように。
そしてなにより、

  • 気が利く人が“黙ってやる”負担がなくなった

  • 「毎朝の小さな仕事」を“無人化”できた

  • 朝の仕事準備の時間が、みんな公平に使えるようになった

これまでなんとなく「気がついた人がやる」ことになっていた業務が自動化され、
“気づいた人だけが損をする”ような空気が和らいだ気がします。

こうして地味だけど確かな業務改善が、
職場の空気まで少しずつ変えていくのだと実感しました。

 

これも立派な「社内DX」だった

派手なシステム導入じゃなくても、
Excelでもない、チャットボットでもない、
でも、現場のストレスを取り除いた
これはまさに「現場DX」だと思っています。

最後にひとこと

DXって、こういうことでいい。

「ちょっとした工夫」で仕事が少し楽になる。
それが積み重なれば、気がつけば大きな変化になります。

私はそんな「ちょっと便利」をこれからも綴っていきます。

🔧 おまけ:使用したツール

 

その後…ちょっと調子に乗って、さらにDXしてみた

朝の体操が自動化できたなら――
「他の“時間のお知らせ”も、音声で流せるのでは?」と思い始めた私。

そこで、今度は…

  • 12時00分:「お昼休みです。ゆっくり休憩しましょう!」

  • 13時00分:「午後の就業時刻です。引き続き頑張りましょう!」

  • 17時00分:「終業時間です。今日もお疲れさまでした」

というAI音声のメッセージを時間設定して、パソコンから自動再生するようにしました。

これも同じようにタスクスケジューラで設定するだけ。
時間に合わせて、穏やかで優しい声が流れるだけなのに、
職場全体がふっと“時間を意識するきっかけ”になるのを感じています。

時間にメリハリがつくと、空気も変わる

誰かが声をかけなくても、
「お昼だな」「そろそろ終業だな」と自然と切り替えができるようになった。

ちょっとしたことで、
「静かに働くオフィス」に“あたたかい区切り”が生まれました。

小さな仕組みが、職場のリズムをつくる

これも、まさに「身近なDX」。

誰かがやっていたことを、
誰もやらなくてもいい仕組みに。

誰かの気配りを、
みんなの習慣に。

そんなふうに、小さな変化をこれからも積み重ねていきたいと思います。